霧雨魔理沙


090425/091016

#3

090424を差し替えるついでになんとなくできてしまった魔理沙





下を向いてニヤニヤ

「 ついでぇついでぇぇ ♪ 」

調っ子ぱずれの歌を

「 なんとなっくなんとなくう〜 ♪ 」

小粋に口ずさみながら

「ふっふふっふ〜ん ♪ 」

八卦炉の目盛りをいじったりなんかする

そんな魔理沙さんは素敵だね


そりゃもー喜んで描き直させていただくしかなかろー




090424

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「馬鹿がっ ! 」

うん …

「馬鹿どもがっ ! 」

まったく …

「あんなカスども、みんな喰われっちまえばいい ! 自業自得だ ! 」

そうね …

「おまえもこんな馬鹿げた話に関わるこたぁないぞ。ほっとけ ! 」

うん … そうしたいのはやまやまなんだけど

「私は知らんぞっ ! かんけーねぇぞっ ! ぜったい、ぜったい、ぜぇったい関わらねぇからなっ ! 」

気持ちは痛いほどわかる … でも

「あいつらが喰われてなにかこまることあるか ? 」

それは …

「妖怪が馬鹿な人間を喰う … いーじゃねぇか … 戻るだけだ。昔に」

それは …

「まさか、おまえまで脳味噌蕩けちまってるんじゃないよな ? 」



「人と人外が仲良く楽しく暮らす幻想郷ってか ? はっ ! 」

それは …

「ここがどーゆー場所か … 創ったおまえらが忘れるわけないよな ? 」

それは … もちろん

「ここは、あくまでも、あいつらの世界だぜ ? 」



「あっち側で居場所の無くなった人外が人外らしく生きることのできる場所 … それが本来の幻想郷じゃねぇのか ? 」

それは … わかってる

博麗がそれを忘れるわけがない

「人間は、はっきり言やぁあいつらの食料 … 兼、生活文化の供給源だ … もともとは」

まぁねぇ …

「もちろん、私は人間だからそんなの愉快じゃねぇし、人外どもの都合におとなしく合わせる気なんざさらさらない」

でしょーね …

「私は私の生きたいように生きるよ」

うん …

「でもな、命がけだぜ ? 世界の本来的な在り様を蹴っとばして生きるってぇのは」

うん …

「それが … なんだ ? あの馬鹿ども」

うん …

「ちょっと人と人外の関係が穏やかになったからってほいほい浮かれやがって」

うん …

「聖地巡礼だぁ ? マヨヒガに行ってきますぅ ? ど阿呆がっ ! 」

ねぇ …

「だいたい、どーやってマヨヒガに辿り着くつもりだったんだよっ ? どカスがっ ! 」

あー … なんかてきとーに歩き回ってわざと迷えば必然的にマヨヒガに行き着くって理論だったらしいわよ

「… まぁ、どこにだって馬鹿の一匹や二匹はいるもんだから、それはしょーがない … と、してもだ」

うん …

「その馬鹿が行方不明になったからなんだってんだよ。ぜぇ〜んぜん問題ねぇじゃねぇか」

うん …

「それを … それを … 」

それを … ねぇ

「紫たちに捜索を頼むぅ ? どんな脳味噌してたらそんなこと思いつくんだ ? 」

無茶よねぇ …

「し、し、しかも、その依頼の仲介を私たちにしろぉ ? 」

私だって開いた口が塞がらなかったわよ …

「それも、町のお偉方どもの総意ってなんだよっ ? 」

おまけに、自分の実家がその中心だものねぇ … いくら縁を切ってるって言っても

「ひとりくらいまともな脳味噌持ってるやついねぇのかってんだよっ ! 」

いなかったようね …

「喰われちまえっ ! 一人残らず妖怪にでもダンゴ虫にでも喰われっちまえっ ! 馬鹿がっ馬鹿がっ馬鹿どもがっ ! うああ … なんか眩暈がしてきた 」

息継ぎしながら喋ったほうがいいわよ …

「… とにかく … 私は … やだからな … 」

うん … でも

「でも … なんだよ ? 」

あんたの気持ちはよくわかる …

っていうか、私も気持ちはまったくいっしょなんだけど

… ただねぇ

「ただ ? 」

お偉いさんたちのことはともかく …

知らんぷりはちょっとまずいんじゃないかって思うのよ …

「なんで ? 」

気にならない ?

「なにが ? 」

… 稗田

「… ? 」

あんただって気がついてるでしょ ?

最近のあの子 …

「 ? … あ … ああ … そーゆー … 」

うん …

「 … そーか … うん … あのチビか …」

危ないとおもわない ?

「そうな … ああ … ひとつ間違うと … 」

でしょ ?

「んん … たしかに、ちょっとばかりまずいな … 」

お偉いさん連中おかしな具合に盛り上がってるし

私たちがぐずぐずしてたら

それこそなにやらかすかわからないわよ、あいつら

「 … まいったぜ … 」



090414 鬼が舞う 〜 語り/霧雨魔理沙

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「おー、春だなぁ。鬼が舞ってるぜ」







雀の屋台でしこたま呑んでの帰りちょっと飛んだら吐きそーになった

酔い覚ましがてらぶらぶら歩きながら手持ち無沙汰なので箒を元気に振り回していたらほんとに吐いた


おえッ


しゃがんで、吐いて、すっきりして、立ち上がって、涙を拭いて、見ると

目の前の野原で鬼が舞っていた

三角だ

顔は封じられていてわからない

どこぞの式らしい

こんな物騒なのを放し飼いにするとはマナーを心得ない主だ

けしからん

でも

ま、いーか

なにしろ、私は今、実にいー具合に酔っ払っているからな

なんかすげー気持ち良いのとすげー気持ち悪いのが渦巻きになってすげーぜ

「うひょひゃひゃひゃ ! 」


おえッ


また吐いた

今度は立ったまま前屈みになって、吐いて、すっきりして、涙を拭いて、見ると

鬼が舞を止めてこっちを見ていた

ちょっとばつが悪かったぜ

酔っ払ってても羞恥心を忘れず、他人の迷惑を考える

そのへんが私のえろいところだ

いや、偉いところだ

「あー、邪魔だった ? まりささんおじゃま丸 ? ごめんねー」

素直に謝るしな

うん、偉い

でも

ときどき、素直になれず、妙に意地っ張りになってしまうのは何故 ?

「それは、私が少女だから ? 」

可愛らしく首を傾げてみた

… あー、まぁ、返事を期待していたわけじゃないぜ

うん

しかし、まだ見てるな

えーと

「まりささんうるさい ? うるさいですね ? こらー、まりさ静かにしろー ! はいっ ! まりさ静かにしまっす ! 」



まだ見てるよぉ

ちょっと声でかかったか ?

う〜ん …

こっちが力いっぱい謝れば謝るほど機嫌悪くなるやつっているよな

そっち系 ?

まぁ、それなら

「あー、ほんと悪ぃ … もう邪魔しない … 」

軽く片手を挙げて見せ

そこで止めときゃいいものを

つい

「邪魔は良くないよな … よくない…うん」

「他人様の愉しみを邪魔しちゃあいけません … ひじょーによくないっ ! 」

「他人の愉しみ邪魔するやつぁ甲斐の国なる信玄さまのぉ〜ってか」

「うひょほひょひょっ」

はぁ …

それがまずかった

うん

まずかったんだよなぁ

鬼のやついきなり反応しやがんの

うん

なんかこぉ

両手をばっと開いたかと思ったらくるりと廻ってぴょんと跳ねてな

それから右半身になってそのままとっとっととととっとなこっちに寄って来るんだもんそりゃ怖かったぜ

「ひっ ! なっ、なに ? 怒ったのか ? 怒ることないじゃん ! まりさ謝ったじゃん! ごめんなさいしたじゃん ! 」

とととととと

謝っても鬼はいよいよ肉迫してきたね

あやまってもあやまってもおにはにくはく

なんて今になって言えるのであってそのときそのばじゃもおあなたあれよ

「なによお〜、ま、まりさ強いぞ ! まりさ、やるときはやるぞ ! うおおおっ ! 箒だっ ! まりさの箒は痛いぞっ ! 」

哀れな鬼に警告しながら、私は箒を抱きしめ背中を敵に向ける必殺の構えをとったね

いやぁ、さっさと逃げればいーものをそれがそーはいかないのが酔っ払いだぁあはは

とととととととととととととと

「ひいいいっ、いやぁっ ! いやぁあああああっ ! 」

とっとっとっ、とん !

「いやああああっ … とん ? 」

つんつん

「うひひゃほええっっっ !! 」

もお犯されるくらい仕方ないと覚悟を決めて歯を食いしばってる美少女の肩甲骨の下あたりを絶妙な力加減でつんつんしたら

そりゃ、ぴょんと跳ねてくるりと廻るだろ ?

廻らない ?

ふつー廻るけどなぁ … まぁ、いいや

でな

くるりと廻って地面に戻れば目の前に鬼だよとーぜん

「うはっ」

完全に間合いだダメだやられたやられたってこれからやられるんだけどどんなことやられちゃうんだろう


どきどき



どきどき



「 ? 」



うん

なにもしてこねぇの鬼のやつ

ただ私の顔をじっと見てるだけ

この霧雨魔理沙を思うがまま好きにできるのにだぜ ?

馬鹿にしてるだろ ?

この小さな胸のどきどきはいったいなんだったのかだよな

ただ顔をじーっと見られてもなぁ … 困るじゃん ?

で、まぁ

しょーがないからこっちも見返してやったよ

じーっ

じーっ

じーっ

じーっ

あああああああ

ダメっ !

私、こーゆーのダメっ ! 悪いけどあんたみたいなタイプぜんぜんわかんないしっ !

ヤバい状況にはかわらないけどさすがになぁ

おお、そーそー、ふつーそーだよな ? キレてもおかしくないよな ?

でも、そこは私も少女だけど精神年齢は大人だから訊いたわけよ。れーぎただしく

   「えーと … それで … なんなの … かな ? なんか言いたいことでもあるわけぇ ? 」

ま、ちょっとばかり口調がぞんざいになるのはいたしかたなかろ ? 酔っ払いだし

したらな

鬼のやつかくかくうなずいて、なんか知らんが手をひらひらさせんのよ

「 ? … あ … ああ … 喋れないのか … 」

そりゃ喋れないわな … 怨霊で式で封じの面被ってりゃ

自分の意思があるらしいってだけでも珍しいや

その己の意思を伝えよーと鬼のやつ懸命に手をひらつかせてるわけだ

こーなると、そー無碍にはできないよな ?

あ、まぁ、おまえならできるだろーけど、私には無理なのっ !

で、だ

さっき私が口にした台詞がきっかけになったのは確かだからそのへんを頼りに

「ん〜 … と … 甲斐の国 … ? 」

鬼がかっくんかくんうなずいたよ

「あー … おまえの生国 ? 」

こんどは首を横に振る

「えー … 信玄マニア ? 」

違う ?

「じゃあ、信玄に怨みがあって … 」

ぶんぶんぶん

今度は首と手を両方横に振る

そーじゃなくってぇ … とゆー感じで手をひらつかせ、それからなにやら踊りめいた仕草をしてみせる

「 舞 ? 」

うんうんうなずいて、でも、ちょっと違うとゆー手振り

ほらぁって感じで私を指差す

「あ、歌 … さっきのアレ ? 」

そーそー

「松の葉 ? 」

鬼がぽんっと手を打ちくるりと廻った

「好きなのか ? 」

うんうんうん

そーかそーか、なるほどなるほど

「いーよな」

うんうん

「春の朧月には松の葉だぜ」

ぴょんくるりっ





小唄好きに悪い奴ぁいねぇ …

かどーかは知らないけどさ

言葉は鞠だよ、うん

あっちで弾んでこっちで弾んで

あーだこーだなりだしちゃうってぇと

喋れるとか喋れんとかかんけーねーのな

ぽんぽん弾んで

そいつを追っかけてるうちに

あれ ?

ここどこ ? 私はなんでここにきたんだろう … ?

ってこともありんすう〜

はぁ …

「ゆめのゆめのよのなかでひとがなにをどー謡おーがかってじゃんなぁ ? 」

どーゆー流れで出てきたんだか知らねぇけど

気がつきゃ私はそんな台詞を喋ってて

鬼は鬼でそれにうんうんうなずいてた

うんうんうんとな

「謡いたきゃ謡うよなぁ … 舞いたきゃ舞うよなぁ … でんでんむしじゃねーんだから」

なんででんでんむしなのか言ってる自分でもわかりゃしないんだけど …

う〜ん

そのでんでんに腕組みして深くうなずく奴がいりゃぁ … な


鬼はうなずいて


上げた面を背後の原に振り向けらぁ


私の顔もそっちを向くよ


なぁ …


春とはいえ虫にはまだはやいや


鳥も塒で夢の通い路






ああ







ああ



そーか





月に照らされた空ろな原を

鬼と私とならんでぼんやりながめてたさ

肩んあたりに気配を感じて

見たら鬼の指が袖をそっとつまんでるんだな

「 … 」

「あ … 謡えってか … 私に ? 」


うんうんうん


うなずかれても …

なぁ

「 … すまん … 無理」

え〜、ってのけぞることもあるまいに

「あー、ちゃんと知ってる歌なんかひとつもないし、だいたい自分で言うのもなんだが私は音痴なんだ」



うんうんうん


それでもいいから、と、袖を引かれりゃ …


なぁ


うー、だいぶぬけてきた

あ ? ああ

結局、月が落ちるまでつきあったよ

知ってる歌を適当に繋ぎあわせてでっちあげて … おかげでこの声だぜ

ああ … 水 … 悪ぃな … はー ! うめぇ

でもさ、綺麗だったぜ、鬼の舞いは …

おおよ

あ ?

私の歌で楽しそうに舞えるってのは鬼も音痴だったんだろう、って …

非道いこと言うなおまえも

真実の鬼はおまえだね

や〜い、鬼巫女ーっ ! わっ、ごめっ … ああ、痛ぇ … 今の本気だっただろう ? ったく

ん ? 鬼か ?

消えたよ

空が白んできたなあと思って見上げた顔を戻したら … もう消えてた


そーな



そーかもな



うん


ま、いーんじゃないか ?



ほら



「 … その小桜の望月の、いつそ消えたや花の下露」



ってな




090223  夜の薔薇の庭の魔理沙



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