Mystia Lorelei


110211



…小津先生





雪が降っている

白と薄墨に塗りこめられた景色の中

ぬかるんだ道の先に

ひとつだけ小さな赤がある



「あ」


「よぉ」


「 … 」


「どーも」


「いつ帰ってきたの ? 」


「うん、今さっき」


「穴は ? 」


「うん」


「もういいの ? 」


「もういいんだ」


「いつもの ? 」


「うん、いつもの」






雪が降っている








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090128


俺の背中で夜雀とルーミアの刺青がにらみ合っています

「ねぇ」

「ん〜」

「不況じゃん ? 」

「そーなー」

「深刻じゃん ? 」

「まーなー」

「こんなことしてていーのかなぁ ? 」

「こんなことってぇ ? 」

「とーほー」

「とーほーかー」

「うん」

「とーほーなー」

「とーほー」

「…」

「…」

「とーほーかー」

「とーほーだよぉ」




090111

080213 改々々々




090109

080213 改々々




090108

080213 改々




080213

「夜雀〜朝の歌」

白み始めた空の下

雀は歩いて家路を辿る

飛ぶのも億劫なほど疲れる夜だった

いつもは陽気な酒の門番が珍しく荒れたのだ

仕事中居眠りをしてたら顔に落書きされたらしい

言われて見ると ―

一生懸命洗ったのだろう、まだ最初の一杯に口をつけていないのに顔がほんのり赤い

「やったのはお嬢様と咲夜さんなんですけどね」

「あー、それは…文句も言えませんねぇ」

「うん…まぁ、それ自体はあたしも居眠りしてたんだからしょうがないんだけど」

どーにも耐え難いのは ―

「誰一人それを教えてくれなかったってことなんですよ」

「はぁ…」

「一日中笑い者です…寮に帰ってから初めて気がつきました」

「う…それは…なんとゆーか…」

なんとも言い様がない

「ま、あれですよ…ほら…うん…」

適当に言葉を繋ぎながら、

そそくさと燗をつける

「あ…串も焼きますね ? いやー、今日の鰻は良いですよ。脂ののりがもー最高 !」

串を勧め、必死に話を逸らす

逸らしてたのに ―


屋台にいるのは雀と門番だけではなかった

子鬼と白黒と巫女と毒人形…

よりによって血も涙も無い面子のフォーカード

いたわりとは板を割ることかと本気で信じている連中だった

面白ければなんだっていいのだった


―めんどいので中略―


そんな夜を乗り切っての家路なのである

…ほんとに疲れた

が、

終わってみれば一種…達成感のよーなものもないではない

「ん…っ」

小さく息をつき、

俯けていた顔を上げる

見上げる空は未だ白

両手を広げ、

雀は凍みるような朝の空気を思い切り吸い込む

肺いっぱいに溜められたそれが ―


歌になる




070203




061123  夜雀

ようやく捕らえた八目鰻を肩に担ぎ、
水路から上がろうとする雀。
小さな翼が今にも折れてしまいそうだ。

空には夕焼けが広がっている。

何と言うか、「新日本紀行」的風景。

これから彼女は、
屋台を置いてある森までこの巨大な獲物を運ぶのである。
重くて飛べないので、たっぷり一里はある道を歩いて運ぶのである。
森に辿り着くと、
すぐに屋台を組みたて、
休む間もなく鰻を捌き、串に刺すのである。
そこでようやく一休みなのである。

・・・ 腰を下ろしてボーっとする雀 ・・・

しかし、
あんまりボーっとしていると何をしてたか忘れてしまうのである。

だから、
憶えているうちにそそくさと仕事に戻るのである。

火を熾し、焼きにかかるのである。
タレを引くのである。
引いたタレが煙に乗って漂いだす頃、
まず、呑んべぇの鬼が現れるのである。
それから、
未成年の魔女や、
いつもツケの巫女や、
下戸の氷や、闇や、虫などが、
夜道や夜空をふらふら流れて来るのである。
時には、
狐や門番が、この世の憂さを捨てに来たりもするのである。

彼女たちを相手に、
夜更けまで、
雀は鰻を焼き、
燗をつけ、
グチを聞いたり、
喧嘩の仲裁をしたり、
食い逃げを追いかけたりするのである。

書いててもう胸が締めつけられるようなのである。

ワシより百万倍は偉いな。